民泊のホストは、自分の家の空き部屋や空き家を利用してゲストを泊めることで、収入になるメリットがあります。
しかし、民泊を運用していくなかには、ゲストの予約日に急な予定が入り都合が悪くなってしまうことがあるかもしれません。その場合、ホストはゲストに断りを入れたうえで予約をキャンセルすることができます。
Airbnbにも、ゲストの予約をキャンセルできるシステムはあります。しかし、ホストの都合による予約のキャンセルは、ゲストの旅程に変更を生じさせてしまうため、罰が課せられるのです。
そこで今回は、Airbnbにおけるキャンセルの手順やキャンセル料などの罰則についてご紹介します。ゲストが予約をキャンセルしたときの受取金などについても解説しているため、参考にしてくださいね。
ゲストの予約をキャンセルしたとき、ホストのペナルティは?
個人で民泊の運用を行っていると、突然どうしても外せない予定が入ってしまうこともあるでしょう。その日にゲストの予約が入っていたら、ホスト側からキャンセルしなければなりません。それはしかたのないことです。
しかし、利用するのを楽しみにしていたゲストにとってはまさかのハプニング。予約していたホテルや旅館から急に予約を取り消されるのと同じことです。そうなった場合、ゲストはまた一から宿泊先を探すことになります。キャンセルされた日が予約日から近ければ近いほど、次の宿泊先が見つからない恐れも。
そのため、Airbnbではゲストの予約をホスト都合でキャンセルすると罰が課せられます。その罰則にはどのようなものがあるのでしょうか。
ホスト都合による予約キャンセルの罰則(ペナルティ)
キャンセル料金
キャンセルをすると、最初の受取金からキャンセル料としてお金が引かれる仕組みになっています。チェックインの7日前までにキャンセルした場合は次回の受取金から-50米ドル、チェックインから7日切って解約した場合は次回の受取金から-100米ドルです。
ただし、半年に1回のキャンセルまでは料金が発生せず、適用されるのは2回目のキャンセルからとされています。
レビューの投稿
チェックイン日以前にキャンセルした場合、ホストのプロフィール画面に「予約がキャンセルされました」というレビューが自動で投稿されます。この投稿は消せません。
チェックイン当日または以降にキャンセルした場合は、キャンセルを受けたゲストがホストのプロフィール画面にレビューできるようになります。
キャンセルした日は予約を受けられない
ホストがゲストの予約をキャンセルしたら、その日はカレンダーでNGとなります。仮にその日の予定がなくなり、再度予約を受け付けようと思ってもできません。
スーパーホストのステータスが獲得できなくなる
キャンセル日から1年間は、一部の優良ホストに与えられる「スーパーホスト」の称号が獲得できなくなってしまいます。
このようなペナルティを理解したうえで「それでもゲストの予約をキャンセルしたい」という場合は、以下の手順でキャンセルを行いましょう。
【ゲストの予約をキャンセルする手順】
1.Airbnbのログイン画面の予約ページへ進みます。
2.キャンセル希望の予約を選びます。
3.「変更またはキャンセル」を選択し、そのまま指示に従って手続きを進めます。
ゲストにキャンセルされた場合、受取金は?
ホストは、自分が予約をキャンセルする場合の罰則だけではなく、ゲスト都合の予約キャンセルについても知っておく必要があります。
ゲストがキャンセルした場合は、受取金が発生するのか、またどのように対処すればいいのでしょうか。
キャンセルポリシーによる受取金
ゲストが予約をキャンセルした場合、ホストが料金をもらえるのかは「キャンセルポリシー」にかかっています。キャンセルポリシーは、ホストがもともと自分で設定しているもの。そのため、自分がどのようなキャンセルポリシーを設定しているのかを把握しておきましょう。
キャンセルポリシーは通常の場合、3つから選ぶことができます。
柔軟
ゲストがチェックインの1日前までにキャンセルすれば全額返金。しかし、チェックインから24時間以内にキャンセルをすると、最初の1泊代は返金なし。
普通
ゲストがチェックインの5日前までにキャンセルすれば全額返金。しかし、チェックインから5日以内にキャンセルをすると、最初の1泊代は返金なし。
厳格
ゲストがチェックインの7日前までにキャンセルすれば半額返金。しかし、チェックインから7日以内にキャンセルをすると、返金は一切なし。
基本的にはキャンセルポリシーに従って、ホストへの受取金やゲストへの返金が決定されます。しかし、キャンセルポリシーが必ず適用されるわけではありません。Airbnbには、「酌量すべき事情ポリシー」が定められています。
「酌量すべき事情ポリシー」とは、Airbnbがゲストのキャンセル理由について「やむを得ない事情」と判断したときに、特別に返金が認められる制度のこと。
具体的には、以下のようなものがあります。
・本人あるいは近親者の突然の死、重篤な病
・本人の旅行や宿泊受け入れ能力に直接支障が出る重傷
・出発地/目的地における深刻な自然災害/異常気象
・予約後に国内外の当局(政府/省庁)から発出された緊急退避勧告・渡航中止勧告制限
・国内外の信頼できる当局(国際保険期間や米疾病管理予防センターなど)からの感染非常事態宣言
・深刻な物件破損、予測不能な保守管理トラブルで安全な宿泊受け入れ能力に直接支障
・予約後に政府に課された国民の義務(陪審員義務など)
URL:http://www.airbnb.jp/help/article/1320/what-is-airbnb-s-extenuating-circumstances-policy
酌量すべき事情だと判断された場合、ホストは民泊の料金をゲストに返金しましょう。
キャンセルポリシーは「柔軟・普通・厳格」どれがいいの?
ホストが定めるキャンセルポリシーによって、ゲストが予約をキャンセルした場合の受取金が大きく変わります。では、「柔軟・普通・厳格」と3つあるキャンセルポリシーの中で、どれを選ぶのがいいのでしょうか。
それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
「柔軟」のメリット・デメリット
ゲストにとっていちばん優しいキャンセルポリシーのため、予約が入りやすくなるメリットがある反面、予約日が近くなってからキャンセルされる可能性が高くなります。せっかく予約が取れても、結局空室になってしまうのならば、機会損失になってしまうでしょう。
「普通」のメリット・デメリット
比較的予約が入りやすく、キャンセルが出た場合のリスクもそこまで高くないのがメリットです。しかし、「柔軟」よりも予約が入りにくく、「厳格」よりもキャンセル時のリスクが高くなります。
「厳格」のメリット・デメリット
一度予約が入れば、キャンセルされても受取金が手に入ります。予約日から7日以内のキャンセルであれば、100%の料金が受け取れます。一方、ゲストにとって最も厳しいキャンセルポリシーのため、予約が入りにくくなる可能性があります。
ゲストの予約のキャンセルは、やむをえない場合のみ!
ホストもゲストも、お互いにキャンセルすることなく予約日を迎えるのが最良の結果ですが、やむを得ない事情もあるはず。そのため、罰則やキャンセルポリシーを理解し、正しく民泊を運営していきましょう。
キャンセルのルールを守って、ホストとゲストがどちらも楽しめる民泊ビジネスにしていきたいですね。